テェルウェットカスバ | サハラ砂漠の風

モロッコ|テェルウェットカスバ

テェルウェット カスバ (Telouet Kasbah)は、ワルサザードからマラケシュへとアトラス山脈を越える幹線道路から道を外れ、ガタガタと山道を下ったへんぴなテェルウェット村にあります。テェルウェット カスバはモロッコがフランスから独立した1956年まで旧マラケシュ総督グラウィ(T’hamiel-Glaoui)の居城でした。それ以来50年間、テェルウェット カスバは放りっぱなしとなっていたため、砕け剥がれ落ち近寄れない箇所もありますが、一部の内装が美しく修復されています。


T’hami el-Glaoui は、1879年にテェルウェットの豪族とエチオピアから来た第一婦人の間に生まれました。
1893年に、税の徴収に赴いていた国王が山中で動けなくなり吹雪の中、飢餓に苦しむところを、彼と彼の弟が助けたのをきっかけに彼らの幸運な人生は始まりました。お礼に王から大砲をもらい、それを使って彼らはこの地に住む将軍たちをを鎮圧。 T’hami el-Glaouiはフランスが駐留する間、フランス側に付き地方の豪族を取りまとめ、1912年からモロッコ独立まで、マラケシュの総督を務めていました。南部モロッコを支配し、オリーブ、サフラン、塩、鉱物など地方の主要産物を抑えていました。

1956年に T’hami el-Glaouiが亡くなったときには、モロッコで最も力を有した存在であり、世界で最も富んだ人物の一人とされており、マラケシュにある彼の城Dar el-Glaouiでのパーティーには、チャップリンやウィストン・チャーチルも招待したそうです。